良い専門家とはいったいどんな存在だろう?
一体、どんな専門家を選んだらいいのか?
安曇野市の税金と相続を真面目に考える事務所 寺坂誠税理士事務所です。
目次
貴方にとって専門家とはどんな存在ですか?
貴方はどんな基準で専門家を選びますか?
専門家と言っても様々な種類の専門家がいます。
テレビやネットでよく見るのは経済や医療の専門家。最近ではコロナ関係の専門家が多いですね。
選挙が近くなれば政治に詳しい専門家が活躍します。
しかし、身近に考えると、困ったときに頼る専門家で一番多いのがお医者さんではないでしょうか。
おなかが痛いとき、けがをしたとき、虫歯になったとき、どうしようもなく痛くて専門家であるお医者さんを頼ります。
そこには、「痛み」を消してほしいという切実な悩みがあり、その悩みを解消してくれるのがお医者さんというスーバースターなのです。
つまり、クライアントの困りごとを解消するのが専門家なのです。
問題の内容により、問題解決の専門家が弁護士であったり、税理士であったり、司法書士であったりします。
専門家には、問題の種類は異なりますが、クライアントに発生した問題を解決するということが求められます。
若しくは、クライアントの問題発生の可能性を事前に予知し防ぐことが求められます。
クライアントが自分では解決できないような問題を専門家が専門知識を生かして解決することで、専門家は専門家の価値を発するのです。
そして、そこに、経済的価値(お金)や尊敬が生まれ、「先生」と呼ぶことをクライアントは厭わないのです。
では、専門家が問題を解決できなかったらどうなるでしょうか。
ここで、私に起きたことを読んでいただければと思います。
これは、特定の歯科医者さんを誹謗中傷する内容ではありません。
私に起きたことから専門家とは何かを深く考えるきっかけとなりましたのでブログに記載します。
2か月ほど前から奥歯がやけにしみるようになってきました。
そして、少し痛みが走ります。私は、幼いころ虫歯をたくさん作り、歯科治療でさんざん痛い目にあいましたので、大人になってからは少し違和感があるとすぐに歯医者さんへ行き早期に治療をしてきました。
そこには、歯医者さんに行けば、問題を早期に解決してくれるという絶対的な信頼感がありました。
しかし、診察をして頂いても、レントゲンをとっても、お医者様からは何の問題はない、歯の磨き方が悪いので神経過敏になっているとの診断を受けました。そして、歯磨きのレッスンを受け、帰宅したのです。
しかし、しばらくたち、歯が継続してしみるのと痛みが大きくなってきたので、別の歯科医者さんで診てもらいました。
すると、歯のかみ合わせが悪くて歯が痛むのだと診断されました。そして、歯を少々削り、様子を見ることとなりました。
しかし、その間も、どんどん歯は痛くなってきます。夜は眠れなくなり、物も食べれなくなりました。
どうしても耐えられなくなり、再度歯科医者に行きましたが、そこでもただ、歯のかみ合わせが悪い、それだけでした。
「しばらく様子を見ましょう」と言われたとき、「こんなに歯が痛いのに、かみ合わせだけの問題ですか?」
と申し上げましたが、様子を見るという決断は変わりませんでした。
その時は、大げさかもしれませんが、絶望でした。何もしなくても、激痛が走り、奥歯が当たるとさらに激痛が走ります。仕事は山積みで、てきぱきと仕事をこなさないといけないのに、痛くて仕事ができません…
そして、今度は一週間後に来てくださいといわれた時に、本当に、絶望を感じました。
こんなに痛いのに1週間も耐えられるわけはありません…
途方に暮れ、痛さで朦朧としつつ、ネットで検索をしました。歯科医者さんのYouTube動画もみました。
おかしい。あきらかにおかしい。私の症状はかみ合わせの問題ではない。素人が見ても、神経が腐っているはずだ。
そこで、ふと思いついたのがネットで利用している「ココナラ」です。
ココナラとはスキルシェアサイトなのですが、そこで、歯科医者さんに相談しました。
自分の症状を伝えると、ほぼ、歯髄炎に間違いないという返答でした。
そして、今の症状では神経を残すのは難しいと教えてもらいました。
歯医者を変えた方が良いのか相談し、少なくとも今の歯医者とは別のセカンドオピニオンを立てた方が良いと助言を受けました。
私の歯は、その時も激痛でいっぱいでしたが、救われた気持ちでした。
やっぱり、歯のかみ合わせの問題ではない、治療が必要なんだ。そう分かっただけで救いでした。
ココナラで相談する前は、この痛みがずっと続くのかと思うと絶望しかありませんでしたが、ネットで相談することで光が見えてきました。
相談させて頂いた先生にはとても感謝しています。
クライアントは問題が解決できないと思い込んでいるとき絶望を感じます。
しかし、問題が解決されなくても、その道筋を知るだけで、希望を感じるのです。
翌日、8時30分になるとすぐに近くの歯医者さんを検索し、HPを丁寧に作りこんである、腕のよさそうな歯医者さんに電話をしました。一件目は、予約がいっぱいという事で断られました。
ここでも、結構な絶望感がありました。歯医者さんは、急患でも見てくれないんだ…ちょっと、寂しい感じがしました。痛みで眠れないと伝えても、すいませんの一辺倒でした。
少々、へこみ、茫然としていましたが、痛くて仕方がないので他の歯医者さんを検索しました。
できるだけ、腕のよさそうなHPを見つけようとキーボードをたたきました。よさそうな歯医者さんを見つけ、電話をしましたが、予約でいっぱいでした。しかし、歯が痛くてどうしようもないことを伝えると、「少々お待ちください」と先生に相談して頂いているようでした。頼む、お願いだ、診察してほしいと祈りました。
断られていたら発狂していたかもしれません…
そして、「夕方5時からなら診察できます。そのかわり、予約でいっぱいなので待てますか?とのことでした。」
私は、ありがとうございますと感謝の気持ちを伝えいくらでも待ちますと伝えました。
その時にはあまりの痛さに頭が痛くなり熱は37度以上に上昇していました。
ああ、これでお医者さんに診てもらえる。そんな安心感がありました。
文明が発達したはずなのですが、歯医者さんに診てもらうだけでこんなにも大変なんだと初めて知りました。
経験をしないと人は進化しません。
歯は相変わらず激痛が走っていましたが、気持ちはだいぶ楽になってきました。
そして、待ちきれず予約時間の15分間に歯科医院に到着して診察。
非常に奇麗な医院でした。
症状を伝えると、すぐに、「状態はとても悪いです。すぐに処置が必要です。」
と伝えらえました。
ココナラでの相談の時もそうですが、良い歯医者さんは実際に診察をしなくても、聞いただけで状況が分かるのです。
今まで、通ってきた歯医者2件は実際に見ても分からなかったのに、今目の前にいるお医者さんは症状を聞いただけで歯の状態が分かるのです。
ここで、正しい専門家は、問題解決の以前に、問題を発見する能力が求められることを私は理解しました。
まず、問題を発見しないと、問題の解決のしようがありません。
そして、先生はレントゲンを撮り、私に状況を説明してくださります。
前の歯医者さんでは虫歯はないという事でしたが、そんなことはなく、虫歯があるという事、虫歯を放置したため、神経が腐り、激痛となっていることを教えてくれました。
そして、すぐにでも処置が必要でこれから処置を行うという事でした。
しかし、状況はとても悪い為、時間がかかるし、強い麻酔を打たなければならないとのことでした。
予約外の為、合間合間に処置を行うとのことでした。
私は、感謝しかなく、やって下さいとお願いしました。
実際に、奥歯を削ると、レントゲンで分かったところよりも状況が悪いことが分かりました。神経が腐り、ガスが発生し、そのため歯肉が膨張し神経を痛めていました。
腐った神経を取り除いていく処置をして下さりました。処置の途中、魚の腐った匂いがしました。
後で、神経が腐った匂いだと教えてもらいました。
そして、先生は診療中もとても丁寧で患者の気持ちを考えるものでした。
痛くないか常に心配してくださりました。
そして、長時間の処置の後、状況を説明してくださりました。
今までの診断は誤診であった事を説明してくださりました。
先生の名誉の為記載しますが、他の歯医者さんを非難するようなことは一切ありませんした。
ただ、ここまで放置してからだとどうしても難しい処置になることを伝えられました。
ただ、当面の処置はしてくださり、今までのように寝れないくらい痛むことはないとのことでした。
今の私にはそれで十分でした。
診察を終え、麻酔が切れると少し痛みましたが鎮痛剤を飲み、痛みはなくなりました。
翌日、今までの激痛が嘘のように無くなりました。
さすがに、神経を取った処置をしましたので、歯は痛みますが、今までの、仕事ができなくなるような痛みではありません。
思考できるようになり、私は考え始めました。
私は、こんなことにならないように、少し歯が痛むと歯医者に通ってきた。
しかし、結果的に、ひどい結果になってしまった。(結果的に素晴らしい歯医者さんに出会えたのは良いことだった)
一体専門家とは何なのかと。自分の職業と照らし合わせて考えてしまうのです。
ひどいことにならないようにと専門家に頼ったのに酷い結果になってしまった。これはどういうことなのかと。
①歯が痛くなる。
②一番目の歯医者に行く。歯磨きのし過ぎで神経過敏になっているとの診断を受ける。
③それでも歯が痛くなるので2番目の歯医者に行くが、今度は、歯のかみ合わせが悪いとの指摘を受ける。
その間症状が悪くなる。
④激痛で眠れなくなり、普段の生活や仕事にも大幅に影響が出る。
⑤再度歯医者に行くが、問題ないので様子を見るとの診断を受ける。絶望を感じネットで専門家に相談し、歯髄炎ですぐにでも他の歯医者に行くように勧められる。おそらく神経が腐っているとの判断。
※後にこのアドバイスが100%あっていることが分かる。レントゲンも診察もしていないのに的中している。
⑥3番目の歯医者さんへ。症状を伝えただけで事の重要さを感じて下さり、すぐに処置をしてくれる。
歯の状況は非常に悪く、歯の神経が腐って、膿がたまりガスを発生した。
⑦専門家とは何か、考え始める
ここで、専門家とは何かもう一度考えてみましょう。
まず、専門家は問題を正しく発見しないといけません。
今回の例では、1番目と2番目の歯医者さんは、レントゲンを撮り、実際の口内を見、そして、私から歯の激痛で寝られないという症状を聞いてみても、歯髄炎という病気を見抜けなかったのです。
対して、ココナラで相談した歯医者さんや3番目の歯医者さんは聞いただけで「症状はとても悪く、ほぼ歯髄炎」と診察できたのです。
この差はとても大きいと思います。
なんといっても、問題を認識しないと、問題の解決すらなりません。
しかし、なぜ、このような差が出てきてしまうのでしょう。
実は、税理士業界でも同じことはあります。
恥ずかしながらですが、わが税金の世界でもあるのです。
若いころは苦労したが、成功するうちに、色々な接待や、事務所の管理に忙殺され、税務の勉強をしなくなるのです。申告は雇っている職員がやってくれます。そうしているうちに、スキルが下がっていくのですが、本人は過去の栄光があるので自分は実力があると思っています。そして、誤判断をするのです。
この誤診を防ぐには「絶え間ない努力・研鑽」と「工夫」の2つがあります。
工夫については業界ごとに違うでしょう。
税務業界ではたとえばチェックリストの活用などがあります。
言葉はきれいですが、これを実行するのはとても難しい。
特に税金業界では、寄り添うのが難しいことがあります。クライアントの気持ちが税金を安くしたいでも、そこに寄り添ってはいけないシーンもあります。
ただ、気持ちを理解して断るのと、気持ちを理解できずに断るのとではその後の展開も変わってきますし、問題発見・解決のプロセスも変わってきます。
今回のケースでも、私が激痛で眠れないと申し上げた時に、何か変だと感じて頂ければ、私の病気を誤診することが無かったかもしれません。
クライアントは気軽に専門家を頼ってきません。
本当に困ったときに頼りにします。
わざわざ、時間とお金を使って暇つぶしはしないのです。
だからこそ、専門家はクライアントの言葉を注意深く聞く必要があるのです。
専門家は、一般人には解決できない問題を解決します。
ここに問題はないでしょう。
それも、より良い方法で時間をかけず、クライアントの気持ちを理解したうえで専門家としての判断を下すのです。
自分にできず、又、世間にそれ程解決できる人数が少なく、希少性があるので専門家として尊敬されるのです。
逆に言うと、顧客の問題を解決できないのであれば、その分野の専門家ではないかもしれません。
※ただし、できないことはできないと断るのは良い専門家だと思います。
それでは私流の良い専門家の見抜き方を記載したいと思います。
ここが本日のメインコンテンツかもしれません。
良い専門家はめったなことでは威張りません。謙虚です。これはお客様だけではありません。職員に接する態度からも分かります。
専門家は勉強すればするほど謙虚になります。
経験を積めば積むほど慎重になります。
私も税務・会計の専門家で資格も数々取得していますが、勉強すればするほど自信が無くなり、税務・会計についても全てを把握するのは不可能との結論に達します。
つまり、自分には知らない事、できないことがある事を良い専門家は知っているのです。
そのため、良い専門家は問題を発見するまでは慎重であり、そして、問題を発見した後は大胆に処置を行います。
半面、悪い専門家は、自分の意見に固執し、助手やクライアントのいう事は聞かず、先入観で判断します。
そして、当然、失敗します。
専門家と会った時、話し方はどうなのか、職員に接する態度はどうなのか良く観察をしてみましょう。
お客様の前で職員を怒鳴るような専門家は、やめた方がいいですね。
スキルに自信がなく、または、職員から見透かされ尊敬されないので、怒鳴って自分を保とうとするのです。
良い専門家はテキトーなことを言いません。慎重に物事をしゃべり、専門家としての根拠を持ってしゃべります。
例えば、税理士を考えてみましょう。
お客様から相談を受けても、「大丈夫、ばれないから」「大丈夫、大丈夫、私の経験から大丈夫…」
「調査に入らないから大丈夫」
このような税理士とはお付き合いをするのを止めた方が良いでしょう。
結局、税金は法律です。法律に根拠があり、又、それだけでは実際の実務は動かないので、通達や国税庁のQA,重要な判例があり、その中で税金の現場は動いているのです。もちろん、現場現場での、税務調査の経験も貴重なものです。しかしそれはあくまで特別な環境の中でのことでしょう。調査官により異なる見解は、標準化できません。問題にならなかったとしても、それは、特別な環境の下でのことであり、異なる場面ではどうなるか分かりません。
結局、常に勉強し研鑽をしないと、根拠を持ってクライアントに説明できないのです。
今回の私のケースでも私の症状を説明してくださった先生は、歯髄炎になった理由や根拠今後の処置を、理論的に時には、写真や図形を使って分かりやすく教えてくれました。
良い専門家は豊富な経験と知識を保有しています。
そして、その経験と知識は、困っている人を救いたいという願望に昇華します。
その表れとして、専門家は情報の発信をするのです。
専門家を頼ろうと思った時、まずは、HPを見ましょう。きちんと管理され、専門家の想いが記載されていますか?
金太郎飴のようなHPではありませんか?
専門家として生きている以上、その人なりのこだわりというものがいっぱい、い~~~っぱいあるはずです。
ないなんてことはあり得ません。それが専門家です。
その思いが、文章となるのです。文章が奇麗かうまいかは関係ありません。
文章は拙くとも、情熱を発信していることが大事です。
そして、その結果、その専門家のもとへ依頼が途切れません。
良い専門家は基本的に多忙です。飽和状態といわれる士業の中でも予約が取れないくらい多忙です。
逆に言うと、HPでも発信していない、常にお客さんがいない、そんな専門家は止めた方が良いかもしれません。
得に、難しい案件では、少々時間がかかっても、多忙な先生を選んだ方が良いでしょう。
身近に良い専門家がいない。そんな時はネットで専門家を探すのも手です。
私もスキルシェアマーケットのココナラで良い先生に巡り合いました。
ココナラには、私見ですが、ボランティア的に人の役に立ちたくて活動している方も多数います。
私も、そのような専門家に出会いました。
意見を気軽に聞いてもらうには、ネットでセカンドオピニオンを探すのがとても有効です。
特に夜中でも相談できるのが便利です。
私も夜に相談し、その日のうちに返答を頂きました。
結局は、専門家との相性もあります。
日ごろから、自分と相性の良い専門家とのつながりを保っておくのも非常に大事です。
しかし、その専門家も人間です。
若いころは一生懸命だった専門家も、地位やお金を得るうちに、スキルを落として行くかもしれません。
そこは、依頼する側としてシビアに見ないといけません。
世の中、厳しいですね。
私も税務・会計の専門家ですが、偉そうなことは言えません。
日々の研鑽、お客様の為に立つという初心を忘れれば、あっという間に堕落していきます。
勉強しないで遊んでいた方が楽ですから、プロ意識をもって自分を成長させていかないとスキルは維持できません。
でも、私は、人から頼りにされる人生を選びたいと思っています。
そのため、専門家としてのスキルを上げ、少しでもクライアントの役に立てればと思っています。
今回のこの記事を読んでくださって誠にありがとうございました。
皆様が良い専門家と出会えることを願います。
良い人生に、良い専門家は必要不可欠です。
皆様の人生が良いものであることを望みます