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税金の最適化 (所得税の安全な節税)扶養親族の変更はできるのか?

何も支出をしていないのに76,500円も税金が安くなりました。

※ある家族のケース

子供をお父さんの扶養として確定申告をしたけれども、

お母さんの方が収入が多かった。

そんなことはありませんか?

生活を共にしているのであれば、所得が高い人に扶養控除を付けた方が家族全体の税金が抑えられ有利です。

しかし、確定申告をした後に、扶養親族の所属の変更はできるのでしょうか?

(お父さんに扶養を付けたけど、お母さんに変更できる???)

今日はその疑問にお答えしたいと思います。

1 所得が多い人に扶養親族を付けるのが鉄則である。

所得税は所得が高い人が多く税金を支払うシステムになっています。

又、所得の区分ごとに税率が変わっています。

下記の表を見てください。

課税される所得が195万円以下の場合、税率は5%ですが、所得が4,000万を超えると税率は45%となります。

つまり、国のルールとして所得が高いほど税率が高くなるようになっているのです。ココがあらゆる節税を考えるうえでとても重要です。

又、課税される所得いわゆる課税所得は下記の算式で計算されます。

「課税標準(給与所得や事業所得など)-所得控除(扶養控除もココ)=課税される所得金額」

そして、課税所得に税率を乗じて所得税額が計算されます。

従って、所得が高い人に扶養親族(お子さんなど)をつけて、税金がかかる所得を低くすることが家族全体の税金最適化となるのです。

※税金の計算の仕方の補足
ただし、4,000万を超える部分に全て45%の税率がかかるわけではなく、195万までは5%、195万から330万までは10%と段階的な税率のかけ方となっています。(これを累進課税と言います。)

実際には住民税が10%ですので、さらに10%加算されますが、住民税は所得にかかわらず一律となります。

例えば、所得が195万の場合、

195万×5%=97,500円の税金となり、

所得が4,000万の場合

4,000万×40%-2,796,000=13,204,000円の税金となります。

13,204,000円を所得の4,000万で割ると33.01%となります。(実効税率)

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円
※国税庁HPより

2 年収400万のお父さんから年収600万のお母さんに扶養親族を変更するとどのくらい税額に影響があるのか?

では、実際、どのくらい影響があるのか計算してみましょう。

お父さんの年収が400万、お母さんの年収が600万だったとします。

お子さん(16歳以上)が2人いたとします。

話を簡単にするために復興特別所得税は加味せず、所得税のみで計算します。

扶養控除の他に生命保険料控除が6万あったとします。

①お父さんに子供二人の扶養を付けた場合の所得税額

A お父さんの所得税の計算

年収4,000,000
給与所得2,660,000
所得控除 
生命保険料控除60,000
扶養控除760,000
基礎控除380,000
合計1,200,000
  
課税所得金額1,460,000
所得税額73,000

B お母さんの所得税の計算

年収6,000,000
給与所得4,260,000
所得控除 
生命保険料控除60,000
扶養控除0
基礎控除380,000
合計440,000
  
課税所得金額3,820,000
所得税額336,500

家族全体の所得税は409,500円となります。

②次に、お母さんに子供二人の扶養親族を付けた場合の所得税額を計算します。

A お父さんの所得税額

年収4,000,000
給与所得2,660,000
所得控除 
生命保険料控除60,000
扶養控除0
基礎控除380,000
合計440,000
  
課税所得金額2,220,000
所得税額124,500

B お母さんの所得税額

年収6,000,000
給与所得4,260,000
所得控除 
生命保険料控除60,000
扶養控除760,000
基礎控除380,000
合計1,200,000
  
課税所得金額3,060,000
所得税額208,500

家族全体の所得税は333,000円となります。

あら、不思議。

何も、支出をしていないのに76,500円も税金が安くなりました。

扶養の最適化だけで税金が安くなるんです!

追加の出費などもありません!!!

お父さんの税金が高くなりましたが、それ以上に税率の高いお母さんの税金が安くなったのです。
(336,500円→208,500円)

3 では、扶養の変更はできるのか?

所得が高い人に扶養親族を付けるのが税金の最適化になる事はわかりました。

では、年度が終わってから気づいた場合はどうでしょう。

源泉徴収票をもらって、お母さんの方が所得が高いことに気づいた場合です。

これについては色々なパターンがあります。

①二人とも年末調整のみで確定申告をしていない場合

この場合、単純に確定申告書を提出する事により扶養親族の変更ができます。

注意点としては、二人とも確定申告書を提出しなければなりません。

上記のケースですと、父親が確定申告で納税となります。

母親が確定申告で税金が還付されます。

二人とも確定申告するのが絶対ですのでお気を付けください。

次年度からは、母親の扶養控除申告書にお子さんの名前を書くと良いでしょう。(所得が母親の方が高い場合)

※ただし、通常、年末に来年分の扶養控除申告書を提出しているはずですから会社に申し出て変更してもらいましょう。

②どちらか一方が確定申告をしている場合。

この場合、確定申告で扶養親族の記載をして提出した場合には、正式に扶養親族をどちらにするのかの意思表明があったと考えられます。

従って、原則的には扶養親族の変更はできません。

しかし、確定申告期限の前に、訂正の申告書を提出すれば、変更が認めれらます。確定申告期限前ですので扶養親族の確定前に訂正という扱いで扶養親族の変更が認められるのです。

簡単に言うと、確定申告書を提出していても確定申告期限前だったら、扶養親族の変更はできるという事です。

紙提出の場合には、第1表の上部欄外に訂正申告と朱書しましょう。

電子申告の場合には後から出した申告書が正しいものとして扱われます。

ちなみに、確定申告で扶養親族を記載し、確定申告期限が過ぎ、扶養親族が確定した場合には扶養親族の変更はできませんので注意ください。

※専門用語ですと、更正の請求書や修正申告書で扶養の変更はできません。

4 まとめ

税金や社会保険の金額を合計すると収入の30%を超える方がが多いはずです。

だからこそ、扶養親族の最適化のように、無駄な出費なく、リスクなく税金を安くできるテクニックは必ず習得しましょう。

当初は、見込みでかまいません。

その年の源泉徴収票が発行されたら、夫婦で見比べてどちらに扶養親族を付けるか検討しましょうね。

5 簡単に言うと

子供のように養う家族がいると税金が安くなるんですね。

これを扶養控除と言います。

ケースによって金額は違いますが所得から38万引けるのですね。

税法上、この安くなる金額を同じ家族で生計を一緒にしている場合選ぶことができるんです。

今回は、年収が高い人に扶養親族を付けた方が、お得ですよ!というお話でした。

6 免責事項

今回のケースは特に家族の状況により法令の適用関係が異なります。

実際の適用に当たっては十分気を付けて、少しでも不安に感じたら税務署や税理士に相談して行動に移して頂くようお願いします。

※免責事項 損害等の責任について

本記事は執筆時現在の法令に基づき記載されています。
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