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名義預金でお悩みの方へ――正しく申告すれば、過度な心配はいりません

名義預金でお悩みの方へ――正しく申告すれば、過度な心配はいりません

この記事は、安曇野市などの地方・農村部で、相続財産の総額が1億円前後となるご家庭を対象にしています。

私が安曇野市でご依頼を受ける相続税申告も、財産規模は1億円前後の案件が中心です。今回は、こうした相続で気になる「名義預金」についてお伝えします。

「親が私の名前で預金していたけれど、大丈夫だろうか」
「名義預金は税務署に指摘されると聞いて、不安になった」

このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。

まずお伝えしたいのは、名義預金があるからといって、必要以上に不安になることはないということです。大切なのは、誰の財産なのかを確認し、相続税の申告に正しく反映することです。

1.名義預金とは?

名義預金とは、簡単にいうと、口座の名義人と、実際のお金の持ち主が異なる預金です。

例えば、親が子どもの名前で口座を作り、自分のお金を入れて、そのまま管理している場合などです。

ただし、親が入金した預金が、すべて名義預金になるわけではありません。贈与が成立しているか、誰が管理・使用していたかなど、実際の状況を確認して判断します。

国税庁も、家族名義であっても、亡くなった方の財産と認められる預金などは、相続税の申告に含める必要があると説明しています。〔国税庁「相続税の申告のしかた」〕※リンクの3ページ目をご参照ください。

2.名義預金も、正しく相続税の申告をすれば大丈夫です

「名義預金は悪いもの」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、相続税の面で問題となるのは、亡くなった方の財産である名義預金が、申告から漏れてしまうことです。

名義預金に該当することを確認し、相続財産に含めて、期限内に正しく申告・納税すれば、名義預金であること自体を過度に心配する必要はありません。

例えば、亡くなった方の名義の財産が9,000万円あり、別に子ども名義の預金1,000万円が実際には亡くなった方の財産だった場合には、その1,000万円も含めて申告します。

「子ども名義だから申告しなくてよい」と扱わず、実際の持ち主に合わせて申告することが大切です。

なお、既に申告を済ませていて名義預金が漏れていた場合には、修正申告などの対応を検討します。気づいた段階で、早めにご相談ください。

3.名義預金を含めても相続税がかからなければ、税負担は生じません

名義預金が相続財産になったからといって、必ず相続税が発生するわけではありません。

相続税には、次の基礎控除があります。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

名義預金を含め、債務や一定の生前贈与なども正しく反映して計算した結果、正味の遺産額が基礎控除以内であれば、原則として相続税の申告も納税も必要ありません。〔国税庁「相続税がかかる場合」〕

また、財産が1億円前後ある場合でも、財産の内容や分け方によっては、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例により、結果として相続税がかからないこともあります。

ただし、これらの制度を使って税額がゼロになる場合には、相続税の申告が必要です。「税金がかからないこと」と「申告しなくてよいこと」は分けて確認しましょう。〔国税庁「相続税の申告と納税」〕

名義預金という言葉だけで不安になるよりも、まずは財産全体を確認し、実際に相続税がいくらになるのかを把握することが大切です。

4.これからは、名義預金を作らないことが基本です

既にある名義預金は、事実関係を確認して適切に対応すればよいのですが、これからの財産管理では、名義預金を作らないことをおすすめします。

自分のお金は、自分の名義で管理する。
家族に贈与するのであれば、双方で贈与の意思を確認し、受け取った方の財産として管理する。

このように、誰の財産なのかを明確にしておくことで、将来の確認作業や、ご家族の間での認識の食い違いを減らせます。

これは預金だけの話ではありません。名義株や、いわゆる名義保険など、ほかの財産にも通じる考え方です。

保険は契約者名だけでは税務上の扱いが決まらないため、誰が保険料を負担しているかも確認しておきましょう。

なお、既にある財産の名義変更や資金移動は、贈与に当たるかどうかの確認が必要です。整理する前に、これまでの経緯を確認することが大切です。

5.名義預金かもしれないと思ったら、そのままお知らせください

当事務所へ相続税申告をご依頼いただく際は、名義預金に当たるか、ご自身で結論を出していただく必要はありません。

「子ども名義ですが、親がお金を入れていました」
「昔からある通帳で、詳しい経緯が分かりません」

そのように、分かる範囲でお知らせください。通帳やお金の流れなどを確認し、相続税上どのように扱うべきかを丁寧に整理します。

大切なのは、名義預金を心配し続けることではなく、事実を確認して、必要な申告を正しく行うことです。

安曇野市周辺で、1億円前後の相続財産について名義預金にお悩みの方は、寺坂誠税理士事務所へご相談ください。「安心・親切・丁寧」を大切に、状況に応じた対応をご説明します。

※この記事は、2026年9月5日時点で確認した国税庁の公表資料に基づき、相続税上の取扱いを中心に説明しています。

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